呪われたサラリーマンの日記

40才を超えた過ぎたサラリーマンは何かと悩むお年頃なんです。

呪われたサラリーマンの日記 その18 人材育成を考える

マネージャーの役割=人材育成


企業の継続と成長は人材育成に掛かっている。


という話しを耳にする。

マネージャーは部下にコーチングして積極的に人材育成を行わなければならないと言われている。

 

 人材を育成できる人は、ほんの一握りの人しかいない。

私は誰か特定の人から積極的に育ててもらった覚えがない。
仕事で憧れた上司や先輩もいない。
だから誰の真似もしようとも思わなかった。


なぜ私は自ら仕事や技術を習得しに行ったのか?

答えは簡単だ。

必要だったからだ。

正確には必要とされたからだ。

 

人材が育つ職場環境と育たない環境がある。

私の経験したコーチングの違いとは?

これを部下の目線と上司の目線で紹介してみよう。

 

 

要注意人物は何でも知っている叩き上げの成り上がり上司

私が20代前半から後半までの職場の上司
その職場から成り上がった上司がいた。

細かい事も含め隅々まで知っている人だった。
彼は色々と知っているが簡単には教えてくれない。
自分で努力しろと威圧するタイプだ。
何を話しても全てお見通しだという態度に出てくる上司だった。
私がどのくらい自力で調べたのか試された。
わからなくて教えて欲しから話しをするが、結局はクイズのような問答の繰り返しだった。
クイズが不正解の場合、嘲笑された。
何度も不正解を繰返すと呆れられた。
最後には叱責され酷く自信を失った。
自分はどうやっても上司にかなわないと思った。
この上司には何をしても相手にしてもらえないと思うようになった。


上司からのクイズに正解しようとして時間掛けて調べる。
結果的に仕事が遅くなる。
他の誰かに聞こうとしても、私の上司と同等以上にわかっている人がいない。
上司は何も情報を発信しない。
必要な情報を得る為に、製品や現場よりも上司の顔色を伺う様になった。
上司から余計な口を挟まれ、しまいにはやりたい事ができなくなった。
ようやく結果を出してもやる前からわかっていたと言われた。

こうなると仕事がつまらなくなる。

自分から進んで何かを習得しようなどとは思わなくなった。
上司からの指示が無い限り自ら進んで仕事しようと思わなくなった。
指示待ちではない。
指示が来ないこと毎日祈っていた。
この上司と一緒に働いて頃は苦痛でしかなかった。
それが会社というものだと思い、自分はこの会社では生きていけないと思った。

こういった絶対王者タイプ上司の下に付く事は不幸でしかない。

このタイプの上司は部下を将棋やチェス駒のように扱う。
人間扱いしない。
物と一緒だ。
この上司は自分の周りに優秀な人間だけを選び部下として配置する。
その優秀な人間には何も情報が与えられない。
優秀だった人も古くなり使えるところがなくなると不要になる。
要らなくなるとまた違う優秀な人間を探し捕まえる。
トコトン上司だけが成り上がっていこうとするタイプだ。
これでは部下が育たない。
成長どころか潰されていくだけである。

 

 

何も知らない部下に仕事を任せられる上司こそが真の指導者だ

20代後半、私は職場を異動した。

会社を辞める前に本当に自分が通用しないのかを確かめたかった。
私はこれまでとは全く違う職場に配属されゼロから再スタートした。

新しい職場の当時の上司は私の担当業務の詳細を知らなかった。
私の担当業務とは全然違う工程を経験してきた上司だった。
私の欲しい情報や技術が無くても仕方が無かった。
問題や課題は明確だった。
異動してきたばかりの私でもなんとなく理解できる内容の課題だった。
これをどうにかするのが私の仕事だった。
その為には、自分でなんとかするしかなかった。

頼る人がわからない。
異動したばかりで人脈が無い。
私は前の職場の上司に潰されたせいで人と話すことが苦手になっていた。
でもそんな事は言っていられなかった。

開き直って手当たり次第に色々な人と話をした。
情報や技術を盗みに行った。
自分自身でこっそりバレない様に要素技術を学ぶ実験をしたり、その時々の状況でその道のスペシャリストに必要な事を教えてもらった。
教わった事を自分の目で確認する為に実験を繰り返し、言葉で聞いた事を自分の目で見て理解してきた。


おかげさまで、様々な技術を習得する事が出来た。
公に何かを試すときは、知識のない上司に理解してもらえる様に丁寧に噛み砕きながら理解してもらえるまで説明してきた。
誰かに話を聞いてもらい、理解や承認を得る為のプレゼンテクニックも身についた。
積極的な行動が実を結び私は組織の中心メンバーになっていた。

この上司の下で努力してきた経験が私の成長につながった。

 

誰もが部下に任せられる上司にになれるのか?

答えはNoだ。

難しいだろう。

上司たるもの部下に信頼されなければならない。

信頼を得る為には部下に指導できなければならない。

他にも大事な要素が何個かある。

 

何より重要な事は部下の失敗の責任をとる覚悟があるかにつきる。

指導する為には部下から負けられない。
どんな事をしても部下より優位に立たなければならない。
部下には無い知識と経験で勝負しなければならない。
自分は常にトップでありNo.1でいなければならない。
もし部下に負けるような事があれば、その時は潔く身を引かなければならない。

このぐらいならまだ可愛いものだ。

始末に負えないのが部下の失敗の責任を負いたくないという上司だ。

部下の失敗は上司の責任なんてまっぴらゴメンだ。

こんな風に考えているような人は上司としての器ではない。

 

 


部下に任せられるようになるにはどうすれば良いのか?

部下に仕事を丸投げするのではない。

部下を信用するのだ。

 

 

部下に大事な仕事を任せる覚悟を決める。

先ずは部下のスキルアップにつながる仕事を選びそれを任せる。

  • 部下の進め方、考え方を聞き出す。
  • あるタイミングで進捗を聞く。
  • 調子良く順調に進んでいれば放っておく。
  • 部下が悩み混乱しているようだあれば、詳しく具体的な話を聞く。
  • その具体的な話を聞いた上で、整理させる。
  • 整理し優先順位を決めさせる。
  • 決めた内容を聞く。
  • その背景も含めて聞く。
  • 明らかに間違っていない限り部下の考えを認める。
  • 一度認めた事に対して後から文句を言わない。
  • 上手くいかなくても仕事を取り上げずに最後までやり遂げさせる。

これが出来れば部下に任せらる上司になれる。

 


ホンモノが見える目をつくる

これがもう一つやらなければいけない大事なことだ。

任せた仕事への取り組み姿勢に関心を示す事だ。

部下の仕事の相手は『モノ』や『現場』だ。
上司はこれを邪魔してはいけない。

 

上司はモノを見る方法を変える(代える)

部下を通して『モノ』と『現場』を見るのだ。
正しく見るためには部下に余計な事を考えさせてはいけない。
部下が『フィルター』をかけて違うモノに見えるようにさせてはいけない。
部下には見たモノを裸眼で素の状態のままが伝えられるようにする。
見る角度や距離、倍率等、つまりは色々なモノの見方をアドバイスをする。
こうやって部下が得られる情報量を増やす。
そして部下に情報を整理させて報告を受ける。
見えるようになるまで繰り返す。

事ある毎に繰り返す。
部下はスキルアップしていく。
部下への確認やアドバイスの頻度を減らしひとり立ちさせていく。
信頼関係は更に深まる。

 

かく言う私はまだまだ器が小さい。

自分の目で見なければ納得いかない。

何となく頭では分かっているが実践は難しい。

私に足りない事はわかっている。

『鈍感力』

今はこれが一番欲しい。